菓子製造技能士
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更新日:2023年6月1日
菓子製造技能士
高い技術を身につける!製菓の実務スキルを証明する国家資格
菓子製造技能士は、技能検定制度の1つであり、菓子製造に関する試験に合格した菓子製造業者に与えられる国家資格です。
資格の紹介
菓子製造技能士は、技能検定制度の1つであり、菓子製造に関する試験に合格した菓子製造業者に与えられる国家資格です。
技能検定制度とは働くうえで身につける、もしくは必要とされる技能を一定基準により検定し、評価する国家検定制度です。合格者は合格証書が交付され、技能士を名乗れるようになります。
菓子製造技能士には、洋菓子製造作業と和菓子製造作業の2部門があります。いずれも洋菓子・和菓子を製造するための幅広い知識や専門的な技術が必要です。
菓子製造技能士がなくても、菓子を製造する現場で仕事はできますが、取得することで信頼度が高まり、任せられる業務の幅も広がるでしょう。
資格取得のメリット
菓子製造技能士があると、プロのパティシエや和菓子職人として認められやすくなります。
なぜなら菓子製造技能士になるには、一定の実務経験を積み、試験に合格しなければならないからです。合格者は、和菓子・洋菓子製造の専門的な知識や技術を総合的に身につけていると見なされます。
また、就職や転職でも有利です。選考過程で評価されやすく、菓子製造技能士を優遇して人材採用されるケースもあります。
とくに1級の試験では製品検査やデザイン、積算・見積りなども出題されるため、合格者は菓子製造の見積もり・計画業務を任せてもらいやすくなるでしょう。
また「製菓衛生師」の資格を取得する際は、実技・製菓理論が免除されます。さらに「職業訓練指導員」の試験では、2級合格者は実技試験が、1級合格者は実技試験と学科試験が免除されます。関連資格を取得することで、よりキャリアの選択肢が広がっていくでしょう。
取得者の声
「フルーツを主役にしたスイーツづくりに携わってみたい想いで、この業界に入りました。資格を活かして、新商品開発や売上管理、原価管理なども行っています。新しい商品が評価されて、多くのお客様に喜んでいただけた時にやりがいを感じます」
「和菓子づくりはスピードが求められます。スピードを上げることが効率の良さにつながります。大変な仕事ではありますが、その分、技術や知識がアップして成長につながっています」
資格のとり方
菓子製造技能士には1級と2級があります。いずれも実務経験が必要です。具体的な実務経験は、2級は2年以上、1級では7年以上です。
ただし厚生労働省が指定した製菓専門学校を卒業すれば、2級は卒業後、1級は7年の実務経験で受験できます。ただし、2級の合格者は2年の実務経験で受験資格を得られます。なお学校の課程・授業時間によって必要な実務経験の年数が変わるため、各都道府県の受験要項をご確認ください。
菓子製造技能士の試験は、学科試験と実技試験があります。学科試験はマークシート式で「食品一般」「菓子一般」「関連法規」「安全衛生」「菓子製造法」が出題範囲です。1級は工程管理や材料の手配、品質管理などの製造計画に関する問題も出されます。
実技は「材料の選定」「生地の調整」「成形加工」「熱加工」「仕上げ」から出題され、1級では製品検査やデザイン、積算・見積りも問われます。
技能士の資格のなかでも、菓子製造技能士は難関資格だと知られています。合格率は都道府県によって差はありますが、全国的に40~50%が目安です。
仕事先・キャリアプラン
おもな仕事先として、洋菓子店・和菓子店、レストラン、カフェ、ホテルが挙げられます。ホテルでは、デザートを専門に作るペストリー部門にパティシエとして配属されます。
また、お菓子教室や製菓学校の講師・助手、製菓メーカーの商品開発などの仕事にも携わることができます。菓子製造技能士はお菓子作りの技術力や、製造プロセスでの安全性・品質管理の知識も評価されるため、多岐にわたって活躍できるでしょう。海外のスイーツづくりに興味があれば、本場のお店で修行することも可能です。
菓子製造技能士を募集する求人も多くあり、就職・転職活動に有利です。決して年収は高いほうではありませんが、資格手当がついたり待遇が優遇されたりすることもあります。さらに独立・開業する上でも、専門的な菓子の技能と知識を証明することに役立ちます。
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